新利根チーズ工房

SHINTONE CHEESE FACTORY

勝馬蹄(かちばてい)

酸凝固タイプ、約1週間熟成。
「白霞」と同じような作り方をしており風味も似ている。乳質の季節変動に強く影響を受けるところも同じであるが、「白霞」より表面積の割合が多いことと、竹炭を全体にまぶしているため、「白霞」よりも組織が締まっている。通年、熟成終了直後の「勝馬蹄」は、爽やかな酸味とミルクのやさしい味わい、そして酵母による醸造香(お酒が醸されたような香り)がかすかに鼻腔をくすぐり、生地はきめ細かく滑らかな食感であるが、時間が経つにつれて、夏はホロホロとした食感から次第に歯応えのあるねっとりした食感へと変わっていく。
冬は逆に、きめ細やかな舌触りの感覚を維持しつつ、トロリと溶け出すような食感が増していく。
なお、表皮に生えている白いフワフワしたものは白カビではなく、ジオトリカムという酵母の一種。また、ところどころが黒く見えるところは、全体に竹炭をまぶした後に熟成させてジオトリカムを生やしているためである。

□商品1個あたり内容量
60g以上

※ 包装時の重量は100g前後だが、その後、お客様の冷蔵庫内でも熟成が進み、あるいは商品に含まれる水分が抜けて、賞味期限日までに60g程度になることがある。
□製造・熟成方法
白霞の製造・熟成方法を参照)一晩かけてミルクをゆっくり発酵&凝固させた後、翌朝、馬蹄型の器に型詰めし、夕方までに数度反転する。
次の日の朝、型から外して塩と竹炭を全体にまぶした後、熟成庫に入れる。
その後、反転を繰り返しながら約1週間熟成させる。
□商品名について
JRA日本中央競馬会の美浦トレーニング・センター(茨城県稲敷郡美浦村)が稲敷市の近隣にあること等、稲敷市には馬に関係する施設が多々存在し、また過去を振り返えれば、稲敷市には馬にまつわる歴史があちこちに埋もれている。
ある日、そんなことを知っていたチーズ工房仲間から「馬蹄形のチーズを作ったらどう?」と提案されたことが商品化のきっかけ。
元々、馬蹄形のチーズといえば「バラカ」というフランス産の白カビチーズがあったが、ボリュームがあり、加えてカビタイプのチーズは日本人は食べ慣れない人が多いだろうと考え、日本人でも食べきれるサイズで、なおかつ胃に重くなりにくい酸凝固タイプの馬蹄形チーズを作ることを決意した。ちなみに馬蹄型の器は、独自に設計してオーダーメイドで作ったものである。
いざ商品名を考えるにあたり、稲敷市民に古くから親しまれている大杉神社のことを知る。
大杉神社の境内には、馬体を守護する神様をお祀りした勝馬神社(かちうまじんじゃ)が存在し、さらに大杉神社の主祭神は醸造、すなわち発酵を守護する神様でもあらせられるため、宮司に許可をいただき、勝馬神社の「勝馬」を戴く馬蹄形のチーズ、すなわち「勝馬蹄」(かちばてい)と名付けた。なお、この時のご縁から、毎年4月に大杉神社にて行われる駒牽祭(こまびきさい)にあわせて「勝馬蹄」を奉納させていただいている。
□おすすめの食べ方
まずはそのまま。端からスライスするだけで一口サイズになるので食べやすい。
ハチミツを添えても美味しい。
白ワイン、スパークリングワインとの相性も良いが、フルーティーなタイプの日本酒と組み合わせると、両者の醸造香が相互に絡み合ってさらに香り豊かになる。