常陸晴(ひたちばれ)
白カビタイプ(食感はハード)、約3ヵ月間熟成。熟成前期は見事な白カビに覆われ、白カビタイプに特有のキノコのような香りが漂うが、熟成中期には白カビが減退し始め、熟成後期にはすっかり白カビが剝げ落ちて、見た目はハードチーズのような姿になる。
風味についても、ハードチーズらしいナッツのような香ばしさが主体であると感じるが、噛むごとにミルクの甘みとコクが強くなり、同時に白カビによる独特の熟成味がわずかに鼻に抜ける。
- □商品1個あたり内容量
- 約70 ~ 100g (価格については1g単位で計算)
- □製造・熟成方法
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生乳を加熱殺菌したあと、乳酸菌・酵母・白カビとレンネット(凝乳酵素)を添加。
カード(凝固したミルク)をカットして適度に撹拌し、ホエイ(乳清)からカードを取り出し型に詰める。その後、反転を繰り返しながら圧搾し、予冷後に1日塩漬する。
その後、3~4日に1回反転しながら約3ヵ月間熟成する。 - □商品名について
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私にとって「茨城の空」というと、雲の隙間から夕日が差し込む光景を思い浮かべる。
若かりし頃に人生で初めて訪れた茨城県。
その帰り道に利根川沿いを延々と西へ向かいながら、彼方にそびえる筑波山を望んだときの光景が、この雲と夕日の空だった。
本商品は、曇天を思わせる白カビだらけの姿から熟成が始まるが、その白カビに覆われた表皮に少しずつ夕日色の染みが出始め、熟成が進むにつれて夕日色の部分から白カビが減退して、まるで晴れ間がのぞくように地肌が見えてくる。
この一連の移ろいが、私が人生で初めて見た茨城の空のイメージとピッタリだったので、常陸の国の晴れゆく空、という意味で「常陸晴」と名付けた。 - □おすすめの食べ方
- ハードチーズのような食感と風味を併せ持つので、ウィスキーなどのオーク樽の薫香と好相性であある。一方で、ほんのり感じる白カビの熟成味がやはり赤ワインの渋くてふくよかな風味と良く合う。近年、茨城県でもワインの生産が行われているので、ぜひ同じ風土で醸された食品同士で相性を確かめていただきたい。