月利根(つきとね)
ウォッシュタイプ、約6週間熟成。直径10㎝程度。
表皮のオレンジ色は、リネンス菌という枯草菌の一種(納豆菌と同じ仲間)によるものであり、納豆やぬかみそ漬けと同じクセのある香りがただよう。
クセのある香りの中に微かな醸造香を感じるが、これは熟成過程で日本酒を使って表皮を磨いているためである。
その日本酒には、新利根チーズ工房から利根川を挟んで向かい側、千葉県香取郡神崎町にある老舗酒蔵、鍋店株式会社 神崎酒造蔵の地酒「仁勇」「不動」を使用している。
最初にクセのある香りが鼻を抜け強い刺激を感じるが、むっちりやわらかい食感とクリーミーでまろやかなミルクの味わい、そして鼻の奥の方で感じる地酒の香りが刺激をマイルドに包み込み、長い余韻を楽しむことができる。
- □商品1個あたり内容量
- 140g以上
- □製造・熟成方法
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生乳を加熱殺菌したあと、乳酸菌・酵母とレンネット(凝乳酵素)を添加。
カード(凝固したミルク)をカットして適度に撹拌する。乳酸発酵が進んだらホエイ(乳清)からカードを取り出し、型に詰める。
その後、翌日まで適度に反転しながらホエイを抜き、塩水に短時間漬けた後、熟成庫へ。
1週間に2~3回ほど、塩水を混ぜた地酒(鍋店株式会社 神崎酒造蔵「仁勇」「不動」)を表皮に塗布して手で磨き、リネンス菌の状態を見ながら約6週間熟成させる。 - □商品名について
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茨城県と千葉県の境を悠々と流れる一級河川、利根川。
新利根チーズ工房と鍋店株式会社 神崎酒造蔵は、それぞれ所在している県は違うが、利根川を挟んで実に近い位置にあり、言わば同じ風土で共に発酵食品を作っている。そこで商品名を考えるにあたり、この特徴的な利根川の存在を念頭に置いた。
そしてある満月の夜、利根川に掛かる橋を渡っている最中に、利根川の水面に映る丸い月を見て、それが脳内で本商品の丸いオレンジ色と結びついた。
「月利根」の商品名はこの利根川に映る満月が由来である。 - □おすすめの食べ方
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素朴な全粒粉パンや香ばしいライ麦パンなどと組み合わせると、月利根がより食べやすくなる。
飲み物と組み合わせる場合は、フルーティーな赤ワインも良く合うが、日本酒好きな方ならば鍋店株式会社の「仁勇」や「不動」とぜひ合わせていただきたい。
これらのふくよかな味わいが口内に残る月利根の独特な香りを良い酒の肴に変えてくれる。